2012年1月21日土曜日

John zorn's COBRA at LaMaMa

John zorn's の作曲したCOBRAをlamamaで観てきました。
プレイヤーはチラシのとおり。

チラシは
「コブラは、1984年にジョン・ゾーンが作曲したゲームの理論を応用した即興演奏のシステム。約10名のプレイヤーが半円形に一人の指揮者的人物プロンプターを囲んで、19枚のカードとそれに対応したサインによって音楽が作られていく。頭脳、テクニック、センスが高速で決断を迫るスリリングな音楽感覚は、他の音楽では決して味わえない濃厚さ。多様な音楽フィールドから最高のプレイヤーが参加する、久しぶりのラママでのコブラを堪能せよ!」
と書かれていました。

実際に聴いてみて、観てみて、上記の表現がやっと理解できた。
19枚のカードには例えば「クレッシェンド」や「デクレッシェンド」、
「ブレイク」「再スタート」「フェイドイン」「フェイドアウト」「エンド」などの音楽記号的なものから、
「主導権を握る」というサインとか「このフレーズをフレーズ①として録音する」、
「今演奏しているフレーズを他のプレイヤーに受け継ぐ」「自由に演奏」など、
プレイを繋いでいったり、想像していくものまで揃えられていた。

机の上に並べられた19枚のカード
プレイヤーはそれぞれ発言権を持っていて、自分がどうしたいかをプロンプターに伝えて、
プロンプターはそれを受けて、全員にまたは特定のプレイヤーに指示を出して、
カードを出した瞬間に、演奏が切り替わるといったシステム。

特に主導権が発令されると、主導権を持ったプレイヤーの指示に全員が従わなければならない。主導権を握るためには、グーの手を高く突き上げてアピールする。それをプロンプターが許可をすれば、グリーンのはちまきを頭につけて、主導権を握る事ができる。これは一人というわけではなく、複数人が同時に息を合わせて主導権を握る事ができる。
主導権を握ると自由に演奏を重ねる事をはじめ、誰と誰に自分の真似をしろとか、
演奏をやめろとか、やりたい放題できる。自分が叫んで、それを他の全員に真似させることも可能だ。

曲の全体像とか方針とかはあらかじめ決められている訳ではない。
コブラという大まかな方針がある訳ではなく、システムがコブラなのだ。
曲の始まりは自薦他薦で選ばれたプレイヤーたちが即興で始める。
それに他のプレイヤーが重なったり、プロンプターの指示で切り替わったりしていきながら、
どんどん曲が展開していく。
このアンサンブルいいなって誰かが思えば、そのプレイヤーが「フレーズ①に録音」サインを出して、それが記憶される。
そうやって3つまでフレーズを録音でき、曲の展開の中でたびたび再生されたりする。
他にも「コーダ」的に行ったり来たりフレーズが繰り返されたりするパターンの録音機能もあった。

プレイヤーたちの身振り手振り、アイコンタクトなどによる即興演奏の音楽展開は
まさにライブならではの緊張感と面白さ。
チラシ書きのとおり、「頭脳、テクニック、センスが高速で決断を迫るスリリングな音楽感覚は、他の音楽では決して味わえない濃厚さ。」で、
驚きあり、笑いありのパフォーマンス性の強いライブだった。
ライブを作るという事、ライブを観るという事、


それはまさに生物、その難しさと面白さを心から体感することができた。






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